書くセルフカウンセリング「ロールレタリング(役割交換書簡法)」

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ロールレタリング,手紙カウンセリング

ロールレタリングとは

ロールレタリング(役割交換書簡法)とは、30年ほど前に日本で考案された手紙を使った心理的援助の方法です。

一言でいえば「役割を交換して手紙を書く」ということになります。もともとは、少年院に入所している少年に「母親への手紙」や「母からの手紙(ここで役割を交換するわけです)」を書いてもらうということから始まったようです。

 

ゲシュタルト療法に空椅子の技法(エンプティ・チェア)という心理療法の方法があります。

空の椅子(あるいは座布団)に、想像上の誰か(たとえば母親)に座ってもらって、場所を交代しながら対話をするというものです。ロールレタリングは、ゲシュタルト療法のこのエンプティ・チェア・テクニックからヒントを得てつくられました。

そのあたりの経緯については、ロールレタリング学会の理事でもあった岡本茂樹先生の次のインタビューにも記されています。

『反省』させると犯罪者になりますよ(その3)

このインタビューでも触れられているように、無理に書くのではなく、「自分の感情を好きなように書」く方が効果的なロールレタリングとなります。

 

ロールレタリングの方法

ロールレタリングのやり方は、次のような手順です。

まず手紙を書く相手を決めます。たとえば、父親とのわだかまりがある、言いたいけれども言えなかったことがあるという人は、父親に宛てて「実際には投函しないという前提で」手紙を書くのです。

便箋などを用意して書いてもいいですし、あるいはメールなどの方が書きやすいという人もいるでしょう。

自分の気持ちを素直に表現する、ということがポイントです。

わだかまりがある相手にいきなり手紙を書くのは難しいかもしれません。

そのときは、もう少し書きやすい人を選んで練習してみるという方法もあります。

さて、手紙を書き終えたら役割を交代します。

しばらく手紙を寝かせておいてもいいですし、あるいはゲシュタルト療法でやるように椅子や座布団を相手に見立てて手紙を渡して、続いて向こうの椅子に移って手紙を受け取る、ということを試してみてもいいでしょう。

相手になったつもりでその手紙を読んで、自分に宛てて返信してください。

そして、手紙を受け取ってよく味わいながら読んでみましょう。

このようなプロセスを、必要に応じて何度か繰り返します。

やり方にはいろいろなバリエーションがありますが、たとえば「5年後の自分」「子供時代の私」とか「小説の登場人物」などを対象に手紙を書いてみるできるでしょう。

アンジェラ・アキの歌「手紙~拝啓 十五の君へ~」がまさにそんな歌詞でしたね。

 

ロールレタリングの効果

▷「書く」カウンセリング:筆記療法によってストレスが減り、記憶力も改善する

では、文字に書いて言語化することで、悩みや心配を荷下ろしすることができるということを述べました。

「書く」ことで、感情や人間関係を、少し距離をもって眺めることができるようになります。それは自分自身の内面を振り返って、感じていること、考えていることに気づかせてくれます。

また、イライラや不安などの感情・気分を言語化すること自体が「癒し」としての効果をもちます。もやもやした気分をぴったりと表現できる言葉が見つかると、それだけで気持ちが落ち着いたり、あるいは体験が大きく変化することもあります。

ロールレタリングも同じく「書く」ことによって洞察や心理的な安定を得ることができる方法ですが、「役割をもって書く」「役割を交代する」ということが大きな特徴です。

手紙は普通は自分から誰かに対して書くものですが、ロールレタリングの場合は他者になったつもりで「誰かから私へ」の手紙も活気ます。

実際にやってみるとわかりますが、これはなかなか難しいことです。

他者の視点から自分を見るということは、自分の見たくない一面にも目を向けるということに他ならないからです。でもうまく視点を転換することができると、これまでとは違ったふうに自分や他者や世界をとらえることも可能になります。

ロールレタリング(RL)には、次のような効果があると考えられています(1)。

  1. 文章による感情の明確化
  2. 自己カウンセリングの作用
  3. カタルシス作用
  4. 対決と受容
  5. 自己と他者、双方からの視点の獲得
  6. RLによるイメージ脱感作
  7. 自己の非論理的、自己敗北的、不合理な思考に気づく

自分自身が手紙の差出人となり、また受取人ともなることで、自己対話が促進されます。相手が実際に読むことはないので、秘密が守られたまま、自由に感情を表現することができるのです。

こうした特徴から、ロールレタリングはセルフ・カウンセリングの方法としても適していると思われます。

 

【参考文献】

(1)春口徳雄「ロールレタリングの技法とは」『現代のエスプリ482「ロールレタリング(役割交換書簡法)」』、至文堂、2007年

(2)岡本茂樹『ロールレタリング―手紙を書く心理療法の理論と実践』金子書房、2012年

 

 

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