オンラインカウンセリングのメリットとデメリット

インターネットやスマートフォンの普及にともなって、Eメールやチャット、あるいはスカイプなどを使ったカウンセリングも一般的になりつつあります。

カウンセリングルームにわざわざ行かなくても、あるいは遠距離でも、セラピスト・カウンセラーに相談できる時代になったのです。

オンラインカウンセリングにはいくつかのメリットがあります。

新しいテクノロジーを活用することで心理学の応用範囲も広がりつつあるのですが、専門家のあいだでもまだはっきりとしたコンセンサスや科学的根拠が十分ではない領域です。

オンラインで心理学的なサービスを受けることのデメリットや、注意しておいたほうがいいことなどを挙げます。

オンラインカウンセリング・オンラインセラピーとは

オンラインカウンセリング(あるいはオンラインセラピー)を定義するなら、「インターネットを介して専門的なカウンセリング・心理療法を提供すること」となるでしょう。「インターネットセラピー」「メールカウンセリング」「遠隔カウンセリング」といった名称もあります。

近年、とくにアメリカではオンラインでのカウンセリング・心理療法を行うサービスが増えてきています。他方、ヨーロッパはどちらかといえば保守的なようです。

インターネットカウンセリングにはいくつかの方法があります。

  • Eメールあるいはテキストを書くプログラム
  • ビデオ会議(電話)、あるいはオンライン・チャット
  • チャットルームを利用したグループセラピーやセルフヘルプグループ
  • 仮想現実(VR)を利用したセラピー
  • スマートフォンのアプリなどを利用したセラピー

それぞれ、利点や欠点をもっていますので、それを見極めた上で活用することが望ましいでしょう。

 

オンラインカウンセリングのメリット

オンラインカウンセリング、ウェブセラピー、インターネットセラピー、スカイプカウンセリングなど、さまざまな呼び方があります。いずれも、電話やインターネットなどのテクノロジーを使って、対面ではないかたちで心理学的なサービスを提供しようというものです。

オンラインで提供される心理学サービスには次のような利点・メリットがあると考えられています。

便利でアクセスしやすい

カウンセリングルームや相談機関までわざわざ出向いていかなくてもいいので、移動時間が節約できますし、電車が遅れないかとか道路が渋滞しないかといった交通の心配をしなくてもいいというメリットがあります。電話をかけるだけ、あるいはメールを送ったり、サイトにログインするだけでカウンセラーとコンタクトを取ることができるという手軽さや便利さがまず最初の利点として挙げられるでしょう。

海外に住んでいるけれども、日本語でカウンセリングを受けたいといったときにも、オンラインカウンセリングは便利です。

経済的

対面のカウンセリング・心理療法と比べて、より料金が安くて利用しやすいことが多いといえます。カウンセリングルームを維持する経費がより少なくていいためです。定額制でいつでもチャットなどで相談できるサービスもありますね。

オンラインのコミュニケーションの方が快適な人も多い

一般的には、パソコンやスマートフォンを使い慣れている若い世代の人ほど、オンラインのコミュニケーションへの抵抗は少ないものです。むしろ、「LINEの方が話しやすい」という人も増えてきているようです。対面で話すよりは電話の方が、あるいはメールやチャットの方が、相手の反応を気にせずにプライベートなことを表現しやすいという人も多いのです。

遠距離でも、あるいは外出しにくくても利用できる

適切な相談機関まで何時間もかかるとか、あるいは身体的その他の理由で自由に外出しにくいといった事情がある場合にも、オンラインカウンセリングなら利用できます。これも、大きな利点となるでしょう。

オンラインカウンセリングのデメリットと注意点

このようにメリットもあるのですが、すべての人にとってオンラインカウンセリングが適しているとは限りません。オンラインのセラピーを選択する前に考えておいた方がいいこともあるでしょう。

アセスメント(心理学的な見立て)の難しさ

対面のカウンセリングの場合は、表情や態度などからも、その人がどのような心理状態なのかをアセスメントする(見立てる)ことができます。カウンセリングルームで実際にお会いしていて精神疾患や身体的な疾患が疑われる場合には、適切な医療機関に紹介します。ところがメールや電話だけだと、情報が限られてしまいます。ビデオ通話を使っても、十分ではないでしょう。

住んでいる地域に制限されずにカウンセラーに相談できるというメリットは、カウンセラーがあなたの地域のことをよく知らないということにもつながります。そのため、医療機関その他の相談先の情報を提供しにくいことがあります。

オンラインでのサポートが適切かどうか

電話カウンセリングやメール相談が、すべての人やすべての状況に適しているというわけではありません。投薬や入院などの医学的なケアが必要な人に、オンラインだけの関わりを続けることは、かえって害をもたらす可能性もあります。

また、引きこもりや社会不安障害の人たちにとっても、オンラインカウンセリングが役に立つこともあれば、実際に社会に出て他者と関わることが必要な時期もあるでしょう。

カウンセラーの資格や倫理

カウンセラーの資格は、カウンセラーのためというよりは、利用者の安全や権利を守るためにあるといえます。オンラインカウンセリングはカウンセラーにとっても「始めやすい」ところがあるため、資格や経験が十分ではない人がサービスを提供していることがあります(実際は、オンラインでの関わりの方がより難しいし、熟練を要すると思うのですが)。

また、自傷や自殺企図などがあった場合に、危機介入がしにくいというデメリットもあります。こうした怖れがある場合には、適切な医療機関につながっておく必要があるでしょう。

臨床心理士や産業カウンセラーといった資格には、利用者の安全や権利を守るための倫理規定が定められています。

通信手段の安全性やプライバシーの問題

スカイプなどがうまくつながらないことがあるといった問題に加えて、利用者/カウンセラー双方がメールなどの漏洩がないように気をつけなくてはいけません。

自宅にいながらカウンセリングを受けることができるということは、家族が部屋に入ってきたり、あるいは来客があるなどで、カウンセリングが途切れることもあるということです。

カウンセリングルームでは、プライバシーの守られた安全な場所が提供されますが、オンラインカウンセリングの場合、利用者が自分で安心して相談できるように工夫する必要があります。

 

 

【参考】

What you need to know before choosing online therapy
American Psychological Association