カウンセリングの目的—どのような成果が得られるか?

「カウンセリングは何のために、何を目的に行なわれるのでしょうか?」

カウンセラーによって答えは違ってくるかもしれません。あるいは、来談者(クライエントと呼びます)が何を求めているかによっても違うでしょう。一般的には、カウンセリングによって心が楽になって、自分自身や生きていくことに自信をもてるようになることがカウンセリングの目的だと思います。

カウンセリングで目標とされる具体的な変化として、次の6つが挙げられます(1)。

 

  1. 固定観念から抜け出せる
  2. ものごとをポジティブに考えられるようになる
  3. 自分への信頼感、自信をもてる
  4. 自分の価値観を大切にして行動できる
  5. 苦しみや悩みに耐える力がつく
  6. 現実を冷静に見つめ、ふさわしい行動がとれるようになる

 

1.固定観念から抜け出す

「私は立派な母親でなければならない」「優秀な会社員であるべきだ」「失敗してはいけない」といったようなこだわりにしばられることなく、あるがまの自分を受け入れられるようになるということが、カウンセリングの目標のひとつです。

認知療法では、「べき思考」とか「must思考」などと呼ばれています。

かささぎ心理相談室/電話相談室が大切にしている「物語」という視点から言うならば、「べき思考」はその人を縛る呪いのようなものだとも考えられます。

参考>頭痛を治すためのカウンセリングで安倍晴明がしたことは?(かささぎ心理相談室)

 

2.ポジティブに考えられる

うつのときや自分に自信がもてないときなどは、どうしてもものごとのネガティブな側面にばかり目が向きがちです。悩みを一人で抱え込んでいるときにも、視野や考え方は偏るものです。

ことのしだいや内面の気持ちなどを人に話すということは、ものごとをさまざまな側面から眺めてみるということなのです。

これは、必ずしも「ポジティブ思考になる」ということではありません。

いい面、悪い面、どちらもちゃんと見ることができるようになるということです。

 

3.自信や自分への信頼感

 

自分自身に対しても、公正に見ることができるようになります。自分にできないことや限界も受け入れたうえで、長所やできたことなどもちゃんと認めることができるということです。

あるいは「とりたてて根拠があるわけじゃないけど、まあ私は私でなんとかなるかなと思う」といったような自信が身につくことも大切でしょう。「無条件の自己肯定感」のようなことです。

 

4.自分の価値観を大切に生きることができる

自分への信頼感や自己肯定感がもてるようになると、他人の目や意見ではなく、自分自身の価値観に従って生きることができるでしょう。

そうすると、他人の欠点やいやなところに対しても思いやりをもってかかわることができるようになると思います。

 

5.苦しみや悩みに耐える力が得られる

カウンセリングや心理療法によって、悩みや苦しみがなくなってしまうということはありません。生きている限り、生きものは苦しむのです。これは、ブッダが何千年も前に悟った真実でしょう。

でも、心が成長すると、悩みや苦しみ、あるいは悲しみを抱えておく器も大きくなるのです。

 

6.現実を冷静に見つめ、ふさわしい行動がとれるようになる

 

苦しみや悩みを抱えておくことができるようになると、現実を冷静に見つめて、その都度、最適な行動を選択することができるようになります。

 

【参考文献】
(1)上地安昭『カウンセリングを受けたいと想ったらQ&A』創元社、2015年